『漫画原作のゲンバ』Kindle専売とあってなかなか手に出してもらいづらい状況にあることがわかりました。というかいきなり本を出しても存在を知ってもらえないんです...
******(前回より続き)******
以下、作品すべてにおいて
シナリオ・猪原賽
ネーム作例カットおよび作画予定・横島一
【シナリオフォーマット】
1、「■○、○」の数字はページの目安(見開き単位)である。
2、「(一行空き)」で囲まれたパラグラフが1コマの目安である。
3、ト書き行頭「――」以下は擬音である。
4、「(オフ)」と書かれたセリフは話者がコマ内にいないことを表す。
5、「v」はハートマークの代用である。
『スターダッシュ★アルマクロー』
第一話「星図戦争(フラッグウォー)」(46ページ)
■1
(季節は秋。早い時間にはなんとか夏の大三角のベガとアルタイルが見える、そして深夜には冬の星であるプレアデス星団とアンドロメダが見える。)
――ドガシャアッ
と路地に倒れる有馬九郎。
上半身裸で、トライバルがよく見える。
そして血だらけである。
倒れている有馬の奥に、路地の入り口が見える。
路地側は暗く、入り口は明るい。
――ドルン ドルン ドルン
とバイカーが数人、バイクに跨ったまま、路地の入り口から有馬を見下ろしている。
逆光で良く見えない。
有 馬「く……そ……」
――ドルン ドルン
逆光で良く見えないながらも、
そのアップ。
プレアデスのボスが、ゴーグルを外しながら、見下ろしている。
その目は、逆光の影に光る、白い目。
ボ ス「まだ逃げるか? 九郎」
「最後の一人だぞ」
■2、3(表紙)
倒れながらも、有馬の笑顔。
有 馬「へッ」
タイトル、作者名。
――プト プト
と控えめな音を発する原付バイクのマフラー。
真横から。
モノローグ「僕 小下達也の住む」
「神奈川県天川(あまがわ)市は 東京近郊の政令指定都市として栄える一方……」
※川崎市をモデルにした創作自治体。
――プトトト……
夜の商店街、と言っても、既に深夜か、人通りはなく、
居並ぶ店はシャッターが閉まっている。
原付バイクが人通りの無い信号で、一台だけ信号待ちをしている。
小下達也。
背中にリュック、とてもノーマルなヘルメット。
リュックからは望遠鏡がはみ出ている。
その十字路の角にはコンビニがある。
モノローグ「物騒な街だ」
「特に 深夜は……」
■4、5
――ドン
と小下が有馬に原付ごとタックルされる。
小 下「うわっ」
――ガッ
と転がる小下。
同時にリュックから望遠鏡が飛び出る。
小 下「うわ」
「望遠鏡!」
「ちょっ……!」
と望遠鏡を慌てて拾い、
ふと見ると、原付には有馬が乗り込み、
有 馬「ちょっと 借りるぜ」
小 下「え?」
――ブロロゥ
と緊急発進する原付。
望遠鏡を抱えたまま、
小 下「え? え? え?」
戸惑う小下の背後から、
――ドドドド
と近づくバイク。
――ぶわっ
と煽られる小下。
小下のすぐ横をバイクが数台駆けて行く。
小 下「!?」
駆けて行くバイク。
メンバー「〝暗怒牢滅堕(アンドロメダ)〟の生き残りが! しぶてェ野郎だ!」
「〝振亜死神(プレアデス)〟全員で追い込むぞ オラ!」
――ドドドド
とその中心に、振亜死神のボス。
彼らは6人チームである。
モノローグ「本当に……」
小 下「僕のバイク……」
とあわあわ。
モノローグ「――物騒な街だ」
■6、7
望遠鏡から覗く、プレアデス。
小 下「(オフ)プレアデス星団」
「(オフ)日本名 昴」
望遠鏡から覗く、アンドロメダ星雲。
小 下「(オフ)で こっちが アンドロメダ星雲」
望遠鏡から目を離し、イライラする小下。
小 下「って」
上空から、小下の居る場所を見下ろす。
公園の芝生。
小さな街の公園ではなく、森の一角とも見える大きな公園の真ん中。
小 下「今夜は箱根で星見ようと思ってたのに!!」
「結局市内の公園かよ!」
ごろりと寝転がる小下。
小 下「あーあ」
寝転がった小下が見上げる星空。キレイな星空だ。
大ゴマ。
天を見上げ鼻をかく小下を上空から。
小 下「街の喧騒を離れた 深夜の公園……」
「周囲もわりと暗いし ちょっと見るくらいなら 穴場かな……」
前のコマにパイル。
■8、9
ぷいっと横になって、
小 下「それにしても 僕のバイク……」
「ぷれあです? あんどろめだ?」
「何チーム名に星の名前付けてんだよ ヤンキーども!」
とイライラ。
小 下「どーせ変な宛て字とかしてんだろ?」
「「負霊亜泥巣」とか「暗怒盧滅蛇」とか……」
「ノーヘルだわ 暴れるわ」
「バイク盗むわ……」
廃ビルを遠くに見る背景。星空。
小 下「(オフ)まったく 一般人には理解しかねる人種だな」
「(オフ)宇宙人かっつの」
――ガサッ
と近場の繁みが揺れる。
小 下「ん?」
――ざ
と繁みから現れる有馬。
血だらけで瀕死でよろよろ。
小 下「(オフ)うわッ」
小 下「あ アンタ さっきの……!」
――ドッ
と倒れる有馬。
小 下「!」
倒れた有馬に駆け寄り、襟首つかみ(上半身裸だが)、ふる。
――ガクガク
小 下「ってか バイクは!?」
「僕のバイクはどこ!?」
有馬はうめく。
有 馬「うう……」
小 下「?」
有馬の口から、得体の知れない何かが、無理矢理這い出て来ている。
それはアンドロメダ人としての有馬の正体。
小 下「――――――!!」
絶句。
――トッ
と地面に降り立った有馬本体。
その姿は、わりとかわいい。
小 下「な 何だこれェェェェ!?」
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