『ガンロック』ファンの皆さん、コミックス第2巻を心待ちにしてくださっている皆さん。別冊少年チャンピオン新年1月号から来月の8月号まで、完全保存版です。
ええ、お察しのとおりです。『ガンロック』2巻、発売未定です。
『ガンロック』次回最終回は“予定通り”?
今朝未明に公開した前のエントリー……
次号最終回である旨はお伝えしました。となると気になるのはコミックスですよね。
今月号の「空き家の冒険(前編)」と、来月発売の8月号の後編にて、『ガンロック』は一旦の終了とさせていただきます。読切「FILE:0」から最終回「FILE:11」まで、全12話。各話約50ページ。『ガンロック』は全3巻の予定でした。
<FILE 7:最後の事件(前編)より>
『ガンロック』というタイトルの由来となった小道具の登場と、誰しもが知るホームズ最大のライバル・モリアーティ教授との決着を以て、『ガンロック』ファーストシーズンを終了することは規定の路線。なので、来月の最終回は打ち切りですが、打ち切りじゃないのです。作者も担当編集者も驚く予想外の事態は、別のことでした。
コミックス1巻が超売れてない!
近未来SFホームズ譚『ガンロック』第1巻PV - YouTube
PVに予約伝票に特設サイトに……と、原作者の私・猪原賽自らネットで草の根営業を打ったのは、こちら「賽の目記」を読んでくださってる方はご存知ですよね。知らない人は以下のステマブログ記事を読んで下さい。
ここまでして、そこそこネット上では話題となりましたが、その結果……
コミックス全然売れねえ!!
アンケートは上々、軽く『悪徒-ACT-』超え
俺、横島さん、担当さん、みんなアタマ抱えました。ここまでして売れないのか。『悪徒-ACT-』の二の轍は踏むまいと望み、これは『悪徒-ACT-』を 超える作品だ!と世に送り出し、事実雑誌のアンケートでは軽く『悪徒-ACT-』超え。読者の反応も上々だ……!
その“数字”については、本誌誌面で『ガンロック』が度々巻中カラーいただけている状況で、おわかりいただけていると思います。
編集長にも「こういう作品が欲しかった」と太鼓判いただいておりました。
が、私のステマぶっ込みと徒手空拳の営業 飛び道具を仕込んで望んだコミックス1巻発売で、予想外の不振という結果に。関係者手応えバッチリなのに……
コミックス全然売れねえ!!
「このマンガがすごい!」第5位ゲット!しかし……
そこへ、神風が吹くか、みなやっと『ガンロック』の存在に気付いたか、と関係者一同テンション高まる事案が発生。なんと『ガンロック』は……
『ガンロック』、4月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編にて、第5位入賞!
これで少しは売上伸びるかと、一同安心。
……が、ダメ……!!
『ガンロック』コミックス売上数値、微動だにせず!!
でも、まだ手は打てる!ものすごい奇策がある!
コラボフェアというのもあるんじゃない!?
ファーストシーズンとしての3巻まで、どうにか出版出来ないか、1巻だけでも面白いが、作品の本筋は3巻全てまとめての評価をいただきたい!内容も、売上も!と、関係者一同、非常に熱心に動いていただきました。
マンガを描いていただいている横島一さんは、私が『放課後カタストロフィ』を連載する月刊ヒーローズで『仮面ライダークウガ』を連載しています。『クウガ』の第1巻、7月に出ます。
ヒーローズコミックスでは7月、『クウガ』『ULTRAMAN』の同時発売。
そして秋田では『鉄のラインバレル』最終巻もその頃発売。
これ、もしかして、清水栄一×下口智裕・横島一による「ヒーローズ×チャンピオンコミックスフェア」とか打てるんじゃないかと担当編集と作家のみの妄想企画が持ち上がったりまでしたんですが、
が、結局は、現状、1巻の売上がこうも悪いと、『ガンロック』続刊はムリですねという結果に。コラボフェアは妄想のまま立ち消えに。
2巻、3巻の発行予定は、未定です
- コミックス3巻分の11話まで(ファーストシーズン)で、連載終了。
- セカンドシーズンの開始予定、無し。
- 2巻以降の発刊、未定。
これは現状では、揺るぎない事実となりました。
しかし「2巻、3巻は出ない」ではなく、「未定」というのは、まだまだ関係者にやる気があるからです。上記妄想企画が打ち合わせの俎上に乗るほどに、現場ではこの状況を「おかしい」と考えています。
せめて電子出版のみの発売は出来ないか、いや、今からでも1巻が爆売れすれば、2巻3巻の目も!? そしてセカンドシーズンの開始を……!と関係者一同、死んだ目をギラギラさせております。
ジョギリ屋ジョーがやって来る (少年チャンピオン・コミックス)
- 作者: フクイタクミ
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2014/10/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
<紙媒体無しの電子書籍限定コミックスの例『ジョギリ屋ジョーがやって来る』(フクイタクミ)>
読者へのお詫び・関係者への謝意
というわけで、『ガンロック』コミックスの2巻以降は未定です。別冊少年チャンピオンでの連載も、予定どおりの3巻分、ファーストシーズンの終了をもって連載終了。
コミックスで次巻を楽しみにしてくださっていた読者の皆さん。2巻3巻をお届け出来ず大変申し訳ありません。私達は望みを捨ててはいませんが、現状としてははこんな残念なお知らせしか出来ません。
清水栄一×下口智裕先生、RIKI先生、中村ゆきひろ先生。第1巻予約注文伝票企画の際は、美麗なイラスト寄せていただきありがとうございました。
今月号から『百足-ムカデ-』新連載のフクイタクミ先生。第2巻発売の際には、予約注文伝票にイラストいただける確約いただきましたが、その機会を作ることが出来ず、すみませんでした。
「ガンロック」大ヒット祈念POP100本勝負その102。あと60弱で1000view - Togetterまとめ http://t.co/HdCYblxWDl @togetter_jpから pic.twitter.com/5tWZDggXWh pic.twitter.com/9bXB0SPRu1
— 本気鈴 (@honkisuzu) 2015, 3月 11
『ガンロック』担当・本気鈴さん。大ヒット祈念POP100本勝負で数多くの手書きPOPを生産していただき、光栄でした。期待に添えず、ほんと申し訳ありません。
「SFマガジン」さん。書評に続刊の期待と共に取り上げていただきありがとうございました。続刊無いです。続きを読んでいただくことは出来ません。すみません。
「このマンガがすごい!WEB」並びに選者の皆さん。マンガの売上を左右すると言っても過言ではない大手マンガキュレーションサイトに続刊の期待を込めて第5位に選んでいただけたにも関わらず、続きを読んでいただくことが出来ずすみません。これでは来年の通年総合ランキングに選んでもらうことも無いでしょうね……。
でも望みは捨てちゃいないんだ
これまで繰り返し述べて来たように、我々はまだ望みを捨てていません。来月終了する『ガンロック』はあくまでもファーストシーズン。第1部。
第1巻の売上さえ動けば、そして読者の声があれば、ファーストシーズン全てのコミックス化、そしてセカンドシーズンの連載もあるだろうと期待しています。
なにせ『ガンロック』、そのモチーフが(原型を留めていませんが)『シャーロック・ホームズ』です。
ライヘンバッハの滝に落ち、死んだと思われていたシャーロック・ホームズは、読者の強い要望に応える形で、バリツという謎体術をもって復活を果たしました。
我々のポール・シャーロック・ホームズも、きっと……!
昨日発売となった別冊少年チャンピオン7月号。最終エピソード「空き家の冒険」。次回来月8月号で『ガンロック』ファーストシーズン総決算となります。
「え?これで終わりなの!?続きは!?もっと二人の活躍見たいよ!!」とセカンドシーズンへ繋げる大きな声援をいただくべく、最後まで全力投球いたします!
ぜひ本誌の購入、そして力強い声援と、コミックス第1巻爆売れという物理的な応援 *1いただければと。
もう一度書いておきますが、作家は「紙」だろうと「電子」だろうと、さらにつっこむと「古本」だろうと「漫喫」だろうと、作品を読んでもらえるのはありがたいのですよ。作家はね。しかし「商業」作家である以上……という板挟みなんですよ、一部の大ヒットメーカー以外の、中堅以下の作家は。
— 猪原賽【放カタ2巻発売中】 (@iharadaisuke) June 15, 2015
*1:Kindle版他電子書籍はおそらく売上成績に考慮されません