漫画原作者 猪原賽BLOG

「学園ノイズ」「悪徒」「放課後カタストロフィ」の原作者/ブロガーが告知したり漫画の作り方、関連ニュースをお伝えします

マンガ家への近道は…就職!?理不尽も「取材」と思えばストレス軽減!―漫画編集者M氏のブログより

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漫画原作者になるためには「小説家になれ」「マンガ家になれ」とムチャを語った漫画原作者・猪原賽(@iharadaisuke)です。
ではマンガ家になるためには? その辺りを語る漫画編集者「M氏」のブログは、マンガ家志望者必読のブログ。ぜひ見てブックマークしてもらいたいのです。

「漫画の編集者Mのブログ」に注目

「M」氏は誰か?

 マンガ業界トークを語るブログはそう多くありません。そんな中でも毎日更新され、含蓄ある言葉に溢れているブログ。それが「漫画の編集者Mのブログ」です。

1月17日のエントリーは、「新人漫画家へ/リスク軽減の方法…就職。
この中でMさんはこう語っています。
門戸が広がり投稿先の選択肢の増えた現代、今からマンガ家を目指すなら……

ひとつの方法として、まず就職してしまう。
そこで休みの日とか、寝る前の時間を使って、原稿を描く。
日がな一日原稿を描くというわけにはいきませんが、全然描く時間がないということもない。
自己管理次第ですね。

皆さんはこれを読んで、どうお思いでしょうか。「M」だなんて経歴も名前も匿名で書いているブログは信用ならない、とお思いでしょうか。
私はこのブログが開設された頃からブックマークし、日々更新されるとてもためになる言葉に、さぞ有能な漫画編集者なのだろうな、と想像していました。

が、つい昨年末、知人の漫画編集者から「M」氏の正体をリークされました。実は少し調べればその正体はすぐわかるのですが、今ここでそれは語りますまい。
しかしその方は30年以上の編集者キャリアがあり、アニメ化もした超人気作品の担当さんでもあった。今や誰もが知ってるマンガ家さんを、持ち込みの際に最初に見出した編集さんでもある。そりゃブログに書いてることがいちいち納得するってもんです。

マンガ家になるために就職しろ、という真意

そんな有能な、華麗なる経歴を持っている漫画編集者が、マンガ家を志す者に向かって「就職するのもひとつのリスク軽減だよ」と伝える。いち早くマンガ家になりたい者にとっては、なんと遠回りさせるのだと眉をひそめそうな話です。

が、きちんとエントリーを読めば、思いきり納得し、私自身も就職するべきだったなと人生を振り返っちゃうんですよねw どういうことか、上記のエントリーからいくつか引用します。

働くことによって、どのような職場にいても、それ相応にその仕事、業界に詳しくなるし、良いことも悪いことも含めて、漫画のネタになるようなエピソードがたくさん経験できます。

つまり就職は、いずれマンガ家になった時の取材だと思え。ということです。身体張った取材ですよねw でも「M」氏の言うとおり、いずれマンガ家になった時、その業界を舞台に物語を描こうとした時、改めて取材するよりも、体験している事のほうが強みとなり、裏も表もわかるはず。

自分が働いていれば、その世界の裏も表も知り尽くした、とまではいかなくても、大体のことは分かってくるはずです。
それは、他の組織を見るときにも役に立ちます。

「取材」とは本来、外から話を聞く立場です。取材対象からは、表には出したくない、裏の事情には触れないように語られることも多いでしょう。就職してその内側を知ることは、他の業界を見るときにも、自分の経験から照らし合わせて考える糧にもなる。

何の社会経験もなくマンガ業界に入ると、その尺度も持てないんだよと「M」氏は言うのです。

フツーの社会人も役に立つ!?「理不尽は取材だと思え」

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でもさあ、就職すると、イヤな上司いるじゃん。ウマの合わない同僚いるじゃん。私にも少なからず普通に会社員の友人がいますが、彼らの愚痴は理不尽に溢れています。でも、あなたがマンガ家志望者の会社員なら……

そこで出会った理不尽な上司や変な先輩などもおいしいですね。
職場の人気者も参考になる。
仕事が出来るのに、なぜか評判の悪い人って、どこが他の人と違うのか、すっごく重要ですね、キャラ的に。
他にも、お調子者や困った人も、キャラ作りに必ず生きてきます。

自分が置かれた理不尽な人間関係。それも「キャラクター」を作る際の参考になる。
この考え方は、実は、普通の社会人にも通用するんじゃないでしょうか。

仕事と思わないで、漫画のネタの取材と思えば、どんなことにも腹が立たなくなります。

人間、どこか一面的で済まない部分があります。マンガ家志望者であれば、腹が立つほどの理不尽に出会った時、逆においしい。画一的な薄っぺらいキャラクターでお茶を濁さず、どこか憎めない、リアルな肉付けのあるキャラクターを創造できる。創る参考にできる。

逆に一般社会人でも、ブログ、Twitter、友人付き合いの会話。「こんな奴がいて」「こんな事があって」はけ口はいくらでもあります。体を張った面白話の「取材」だと思えば、ストレスも軽減したりして!?
もちろん、あまりに詳らかにネットに公開して、大炎上することもありますので、ボカす事も忘れずにw

いい加減付き合いきれない! と仕事を辞めた時、そこまで溜めに溜めた経験をもとに、小説一本でも書いてみれば、案外「小説家への近道」のひとつだったりするかもしれません。

マンガ家志望者は必読!

そんなわけで、マンガ家志望者だけでなく、マンガ業界に興味ある人、そして業界関係なく実績ある業界人のためになる裏話を聞きたい方。「漫画の編集者Mのブログ」はブックマークし、最初から読み進めてみるべき、面白くためになるブログのひとつです。

特にマンガ業界を目指す人には……16年かそこらのキャリアだけあって数字の実績が付いてきていない私のブログよりも何倍もためになると思いますw

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