漫画原作者の猪原賽(@iharadaisuke)ですこんにちは。小説家・作家の架神恭介先生が週刊少年チャンピオンで新連載を開始。こちらのブログでも先週お知らせしましたが、実際に“原作小説×それを元にしたマンガ×原作者の解説動画”という形で本日スタートしましたので、それらを全て拝読・拝見した上でまたお知らせしたいと思います。
『放課後ウィザード倶楽部』は小説・マンガ・動画で楽しむ連載マンガ
まずチャンピオンで「マンガ」を読んだ
本日発売の週刊少年チャンピオン16号。新連載攻勢の第一弾として巻頭カラーで掲載されているのが……
『放課後ウィザード倶楽部』。原作は『戦闘破壊学園ダンゲロス』の架神恭介先生。漫画は『バーサスアース』の渡辺義彦先生です。
後述する動画で架神先生ご本人がおっしゃっていたんですが、純粋にマンガの原作を手掛けるのは初めてだそうです。
チャンピオン読者にしてみれば、渡辺先生の帰還、架神先生の初登場として注目のマンガですが……
扉絵の右と下に、気になる文字が。
「E★エブリスタにて(原作)小説第1話連載開始!」
「原作者・架神恭介が作品の見どころを毎週動画で紹介!」
渡辺先生がマンガを描くにあたって元にした架神先生執筆の原作小説を、小説投稿閲覧サイト「E★エブリスタ」で毎週連載する上に、架神先生自ら動画で見どころを解説。
“マンガ×原作小説×紹介動画”という3つのメディアで、今後毎週*1『放課後ウィザード倶楽部』を楽しむことが出来る――これはかなり挑戦的な作品です。
さて、そんなわけでマンガの第1話を読んだあと、まずはE★エブリスタに行ってみました。
次にE★エブリスタで「原作小説」を読んだ
放課後ウィザード倶楽部 ファンタジー 小説 - 無料コミック・小説投稿サイト - エブリスタ
コチラです。(上記キャプチャ画像のクリック・タップでもリンク先に飛びます)
著者表記が「架神恭介」ではなく「少年チャンピオン」となっているのがちょっと気になりますが*2、無料でマンガ版第1話の分の原作小説を読むことが出来ます。
私はかねてから「原作付きマンガを手掛けるマンガ家さんがハマってしまう間違い」として「メディアの違いで“魅せ方”が違うのに、同じようにやろうとする」という点を指摘していました。
(詳しくは拙著『漫画原作者は一体「何」を書いているのか』を参照ください。)
その点、架神恭介先生は小説家ですから、原作も「小説タイプ」。するとチャンピオン誌で読むマンガ版と比べ、いろんな違いが見えて来ます。
セリフのちょっとした違いから、完全にシーンの演出・状況の違いまで、原作を元に渡辺先生が「小説」とは違う「マンガ」にするためにどんな工夫をしたか、その差異を見比べるのは読者としては楽しいと思います。
逆にあなたがマンガを志す方であれば、「小説」で書かれたものを、どう「マンガ」に翻訳するのか。渡辺先生のテクニックにきっと気付くことが出来るでしょう。
単純に毎週チャンピオンを読む一般読者向けにも、そしてマンガの描き方を学びたいマンガ家志望者にも、この毎週連載の「小説」と「マンガ」の違いを見比べる事はかなり興味深いものになると思います。
最後に「動画」を見てみた
マンガから先に読むか、小説から先に読むか。それは読者の楽しみ方次第ですが、この「動画」に関しては必ず最後に見るのが良いでしょう。
動画の第1回は、まずは連載に至った経緯を含めての挨拶といったところから、マンガと原作小説の違いまで、架神恭介先生本人が解説しています。
さらっと読んだくらいではわからないかもしれない、今回の小説とマンガ版の“差異”を挙げてくださっているので、上の項で書いた「メディアの違いによる、小説からマンガへの“翻訳”」を、軽くおさらいすることが出来ます。
差異を述べる以上、ネタバレも含むので、そういう意味でも最後に見るのをオススメしますw
また今後はコメント欄から読者の質問に答えるコーナーも用意しているそうなので、マンガも小説も、そして動画も見た方は、架神先生にぜひ質問をぶつけましょう。次週、ご本人が答えてくれるかもしれません。
(てか、「10回予定」とあったから撮り貯めしているのかと思ったら、毎週撮って流すのか!)
エントリーの最後に
というわけで、“マンガ×小説×動画”のトリプルメディアで始動した架神恭介・渡辺義彦コンビによる『放課後ウィザード倶楽部』。
渡辺義彦先生の帰還を喜ぶチャンピオンの読者としても、架神恭介先生の1ファンとしても、さらには週チャン復帰を望む1漫画原作者の嫉妬心込みで(w)! 期待したい新連載『放課後ウィザード倶楽部』。今後の展開から目が離せません!
★宣伝タイム★
私・猪原賽は、漫画原作者として「原作付きマンガ」の裏側に迫り、原作付きマンガの製作に悩む新人マンガ家さんの疑問に答えるマンガ業界ノンフィクションKindle書を発売しています。【99円】ですのでぜひご購読くださいね。
『学園ノイズ』『悪徒-ACT-』『放課後カタストロフィ』などを手がけマンガの原作だけで15年間以上生き抜いている著者が、マンガ業界で学んだノウハウを伝授。「マンガの原作」とは何か、どんな「原作」を書けばよいのか。なかなか表に出て来ない「マンガの原作」の実作例や心構え、初心者がおちいりやすい間違いなど、業界体験談をまじえつつ、わかりやすく解説。【99円】
>>Kindleストアで『漫画原作者は一体「何」を書いているのか』をチェック!