これが俺の仕事道具です。
マンガ原作者としてシナリオライターを名乗っていますが、組む作家さんによってはシナリオではなくネーム原作をする場合があります。
その「ネーム原作」の道具がこちら。
シャープペンと紙。バリバリのアナログです。
それにしてもA4コピー用紙500枚なんて、こういう商売でもない限り個人で買うことはなかなか無いんじゃないでしょうかw
ちなみに紙がA4サイズなのは、俺の絵柄的に多くを描き込む必要がないからです。
また、最終的にネームはセブン-イレブンのコピー機でスキャン、USBメモリに保存、編集にメールで送信するため、コピー機でのスキャン料金を半分に節約出来るためでもあります。
(A4ネームをスキャン画面に2枚並べて、A3サイズでスキャンするのです。)
これがネームを描くための筆記具。
左から、
消しゴム、
シャープペンシル(09ミリ)、
シャープペンシル(03ミリ)、
2色ボールペン(赤のみ使用)、
筆ペン。
枠線、主線、フキダシ、効果線は09ミリのシャーペンで描きます。
05ミリに比べてかなり太い線が描け、描線がクッキリとスキャンされます。
03ミリのシャーペンは、フキダシ内に書くセリフ用。
後述しますが、A4のコピー用紙を見開き2ページ単位で使うため、フキダシは意外に文字を書くスペースがありません。そこに小さい文字で書き込むためには、03ミリがちょうどよいです。
筆ペンは描き文字用。
「ドン!」「バッ」といった擬音を、シャーペンの描線に埋もれさせないためです。
ただし一度書いたら消せないので、失敗すると2ページ描き直しになるので注意が必要。
赤のボールペンは注意書き用。
作画家さんにわかりやすいように、マンガ原稿には現れない説明書きを赤ボールペンで記します。
丸描いて十字を描いた程度の小さなキャラに人物名を書き加えたり、ざっくり描いた背景に「商店街」「学校の廊下」等の説明を書き込んだりします。
(これのおかげで、ネームがよりシンプルな見た目になりますw)
これが09シャーペンで描いたネーム。
ここから03シャーペンでセリフを書き込み、筆ペンで擬音を描き込み、赤ボールペンで説明を書き込んで完成するわけですが。
上で書いたとおり、この本番ネームはA4コピー用紙を二つ折にして、見開き2ページ分。
ネームを描く前段階の「豆ラフ」と自分で呼んでいるものは、A4コピー用紙を4つ折にして見開き4ページ分。
(写真左上が「豆ラフ」。これを見ても俺以外はどんな内容かまったくわからないはず。)
マンガというものは基本的に見開き単位で読まれるものですから、自分でもその構成を見て確認するためにも、1ページずつの紙にネームを描くよりも2ページ分を最小単位として描くのが良いですよ。
特にA4コピー用紙を二つ折りにすると、手の動き、筆記用具の消耗度、物理的にも省エネになって良いと思うのです。
ただし、俺みたいなさっぱりしたネームではなく、ほとんど下書きレベルの描き込みをネームにする人もいらっしゃるので、その場合はまた別の話ですが。
個人的には、ネームは何度も描き直す――修正することが前提になるので、下書きレベルの描き込みについては単純に時間がもったいないと思いますけども。
ちなみにこのA4コピー紙四つ折り豆ラフから二つ折りの本番ネームへの省エネ戦法で、今回のネーム24ページの製作時間は、約12時間となっております。(文字プロット製作時間含まず)