こんな本を知人から追加で借りまして。
実は今、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』を、その方から借りパクしている状況。
借りパク、ダメ! これはいかん……! と連載が1本終わったある程度時間のある今なら読めそうだとパラパラ読み始めるとですね、本好きの皆さんならご存知かと思いますが、『百年の孤独』は“ほぼ同じ名前のキャラクター”が何世代にも渡って出て来ましてね、読み進めてるうちに、「このホセ・アルカディオはどの息子のアルカディオだ?」「このアウレリャノは何代目のアウレリャノだ?」とこんがらがっちゃう。
新しい世代のアルカディオ/アウレリャノが出る度に、前に戻って何度も血縁関係を確認する……という、お前本読むの初めてか? という作家として恥ずべき状況。
ええーい! だったらこうじゃー! と俺は、
ノートに家系図(と関係図)を書き出した。
あ、はい、まあ、これから俺もマンガの新作企画用意しますしね、こういう<図>を書くのはお手の物です。
Excelなどのデジタルでも、付箋を使ってホワイトボードでいじくるのでもなく、手書きが一番ですよこういうのは。文字と線を手書きすることで、指先から感覚で記憶される感じ。
おかげで後半の読み進みがラクになりました。最初からやっとけば良かった。
やっと半分読み進めたところで家系図(相関図)書き始めた。 #百年の孤独 #読書 #同じ名前
……と、そんなわけでこんなどうしようもない事して何とか読み進めてますよーとInstagramにアップしたところ、『百年の孤独』借りパクられ主であるところの知人が見て、俺を不憫に思ったのか……
冒頭にも挙げたこの本、『世界文学を読みほどく スタンダールからピンチョンまで』(池澤夏樹)を貸してくれたと言う……俺に借りパクされてるのに更に貸す本追加って侠気あるなあ!w
ともかくこの本には「『百年の孤独』読み解き支援キット」なる付録が付いており……
なんと俺が苦労して図化していた家系図が付いてるよ! しかも何度も世代を渡って出てくる同じ名前(アルカディオ/アウレリャノ)を特徴的なアダ名を付して、なおわかりやすくするという……ああ、確かにこれ<支援>だわ。こういうの欲しい人、きっといたと思うわ。俺は自分で作ったけどね……。
ともかく自分で家系図書いたおかげで後半サクサク読み進めることができ、そしてこれ……面白いなと。
何の嫌がらせだ! と涙目だったホセ・アルカディオ・ブエンディアの息子がホセ・アルカディオで、その息子がアルカディオで、さらにその息子がホセ・アルカディオ・セグンドで……という名前の付け方には、のちのち重要な意味を帯びて来て、非常に興味深い構成になっている。
たまたま時間が出来て、借りパクしてた本を読み始めたのに、実は今、俺が構成として関わっている『仮面ライダークウガ』の脚本を書いてらっしゃる井上敏樹先生も、推薦の図書として深く感銘を受けた本であるとおっしゃる『百年の孤独』。
物語の紡ぎ方、小説というメディアの在り方、手法……学ぶことが多いです。それが俺の今後の仕事に活かされるかどうかは別にして、「ブエンディア家」とそれを擁する街「マコンド」の栄枯盛衰100年間、あと数十ページ、見届けたいと思います。
「読み解きキット」が必要な本って……と思うかもしれませんが、ほんと、“同じ名前”が世代を繰り返すがゆえに描ける物語と、その血。その真意に気付く為にも、少なくとも「家系図」の理解はその助けになります。みんなも家系図を書きましょうw
★読んでいるのはこの版です!

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,鼓直
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
- 購入: 25人 クリック: 269回
- この商品を含むブログ (275件) を見る
★「読み解きキット」はこの本の付録です!
★『百年の孤独』を絶賛!井上敏樹先生渾身の“平成ライダー”!
※猪原も「構成」として『クウガ』製作に参加しています。