
H.G.ウェルズの古典SF小説を原作としたコミカライズ『宇宙戦争』第3巻が3月12日に発売され、全3巻のシリーズが完結しました。
遠く離れたフランスでは第1巻が発売され、大手メディアCNEWSでは、2月期の注目タイトル第10位にランクイン。
コロナ禍に再注目されたウェルズの『宇宙戦争』。原作小説や映画版と合わせて、猪原賽&横島一版のマンガもチェックいただければ幸いです。
ぜひ覚えて帰ってもらいたいのは、
- 3巻最終話では2ページ追加描き下ろしあり
- 3巻揃えるとこの色ってもしかして……
- フランス版は取り寄せる価値のある豪華さ
以上の3点です。
まず1点目。
描き下ろしページに関しては、連載時にはページ数の都合で入れられなかったコマが挿入されます。これにより3巻を(可能であるならば1巻最初から最後まで)まとめて読むことで、エンディングの余韻がマシマシだと、関係者一同太鼓判を押します。
描き下ろしはマンガ本文だけでなく、横島一さんのラフカットにも注目。
描かれなかった別バージョン(原作から逸脱したエピソード)が垣間見えるデザイン案は、これはこれで見たかったかも……と思ってもらえるんじゃないでしょうか。
そして後書きには、わたしのご挨拶と、横島さんの描き下ろしイラストが添えられております。
2点目。
カバーの色にご注目ください。帯を外して3巻並べてもらうと……

赤・緑・青。3色並べると……
赤、緑、青。
これは、カバーデザインをお願いしたデザイナー・岩郷重力さんの発案による、1953年版(ジョージ・パル/バイロン・ハスキン版)映画「宇宙戦争」へのオマージュ。
……わからない人には、わからないでもいいことなんですが(笑)。
3点目

"La Guerre des mondes"1巻
日本から遅れること2年。フランスではこの2月に『宇宙戦争』フランス版第1巻が発売になりました。
タイトルは"La Guerre des mondes"。

小口(ページの端)も黒く塗られた重厚なデザイン
かけカバー無しのハードカバー仕様で、小口まで黒く塗られた、日本版以上にシンプルな一冊の“書”といった雰囲気。
フランス語にもフランスの出版界の状況にも疎いのですが、現地の大手メディア・CNEWSが発表した2月の注目マンガランキングでは、第10位をいただいているようです。
www.cnews.fr
Teaser La Guerre des Mondes
フランス版の版元ki-oonさんには、販促PVも作ってもらいました。ステキな動画です。
紀伊國屋書店さんでは、洋書扱いで日本からもお取り寄せできますよ。→
LA GUERRE DES MONDES T01 / IHARA/YOKOSHIMA - 紀伊國屋書店ウェブストア
* * *
連載は終わり、最終巻も出た今、私や横島さんにできることは、TwitterなどWEBを通して、「ウェルズの『宇宙戦争』コミカライズ版があるよ!」と大声で叫ぶだけですが、
- 原作通りの時代と舞台(20世紀初頭のイギリス)
- 原作小説にほぼ準拠する
内容でのメディア化は、意外とありそうでなかったこと。
だからこそこの猪原&横島版『宇宙戦争』は、『宇宙戦争』コミカライズの決定版と自負しています。
ぜひ、全3巻。ウェルズの原作小説と共に、いつまでもあなたの本棚に置いてもらえると幸いです。
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