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漫画原作者 猪原賽BLOG

「学園ノイズ」「悪徒」「放課後カタストロフィ」の原作者/ブロガーが告知したり漫画の作り方、関連ニュースをお伝えします

マンガ家よイラストレーターよ。家を出て、「漫画空間」やコワーキングスペースに行ってノマドるといいよマジで

雑記 マンガ 業界 CASEshinjuku

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先日高円寺「漫画空間」を訪れた記事はそこそこ拡散いたしまして、マンガを描く為のこういったオープンスペースがあるということはある程度周知されたと思います。

プロの作画を拝見出来る、仲間が出来る、もしかしたら新たな仕事にも……!? という可能性、これは私がこの業界にあってしかるべき新しいムーブメントだと思うんですよ。

私はかつてこんな記事を書きました。

 

”マンガ業界のノマドが集まるコワーキングスペース”ってのがあったら、それBDのアトリエに近いこと出来るんじゃない? と考えた、いや妄想した

 

漫画家個人の、アシスタントを擁するスタジオではなく、漫画家やイラストレーター、シナリオライターが集まる”Atelier(アトリエ)”があれば、それは「先生」を頂点としたヒエラルキー構造ではなく、各個人の活動をサポートし広げることの出来る並列した作家活動が出来るのではないかと。

そこで思いついたのが、コワーキングスペースの”Atelier”化。

 

◆コワーキングスペースを使ってみて思った事

そうした実験的な試みをする為に、まず言い出しっぺである自分が、コワーキングスペースというものを体験してみねば。

そう考えて私は11月から現在まで、ずっと高田馬場「CASE Shinjuku」にて仕事をしています。

上記の目論み的には、意外に私の知人作家でさえ集まることなく、まるで進んでいない状況ですが、3ヶ月ほどこちらを利用するようになってわかった事があります。

 

フリーランスで働いていて、どうにも仕事が見つからないというヤツこそコワーキングスペース来いよマジで。

 

コワーキングスペースには、フリーランスの人がいっぱいいます。

デザイナー、イラストレーター、ライター、編集者、プログラマー……、普段はきっと一人でもくもくと仕事を進めるべき職業の人が集まっています。

もちろん各々が静かに各々の仕事を進めているわけですが、何度も同じ場所で顔を合わせれば、自然と話すようになる。

お互いの業種を知ることになる。

すると、今まで一人で困っていた部分を、相談する相手がこんな身近にいることに気がつく。

ライターなんだけど、ブログを一新したいから、ここのメンバーであるデザイナーにデザイン頼んでみるか。

そんな現場に何度も居合わせましたよ。

そしてそんな彼らと酒を飲んだりもしましたよ。

そして私自身も、CASE Shinjukuで生まれた縁を辿って、今日もさっき今まで仕事をしたことのない出版社へ顔合わせ的な打ち合わせをして来たばかりです。

もう一回書くよ。

 

フリーランスで働いていて、どうにも仕事が見つからないというヤツこそコワーキングスペース来いよマジで。

 

日本の”Atelier”構想は頓挫してますが、ここから広がる縁はバカにならんし洒落にもならんです。

普段名刺を渡す機会の少ない私が、CASE Shinjukuで仕事をするようになってから、100枚あった名刺がもうそろそろ無くなる気配です。

 

ただ、私自身は現在マンガ原作者として仕事をしている為、文字の書けるPCがあればいいわけで、ノートPCひとつ持ってこういう場所に来れるという事情はある。

CASE Shinjukuに来るイラストレーター・デザイナーの女の子がいます。(実は会員メンバーでなく、スタッフとして働いている。)

彼女は他にも大宮のコワーキングスペースでスタッフとして働いています。

彼女が言うには……

 

「デザイナーやイラストレーターは自分の備え付けのPCや道具で仕事したいじゃないですか。資料も家にあるわけだし」

――いわゆるヒキコモリ体質か。確かになー。

「だから意外にコワーキングスペースに来るイラストレーターは少なくて、でもコワーキングスペースを使うお客さん・メンバーさんは、逆に絵を描けなくて誰かに描いてもらいたいと思っている。そんな時、誰に話を振るかと言えば……」

――キミだな。

「そうなんですよ」

 

ちょっと文言変えよう。

 

フリーランスで働いていて、どうにも仕事が見つからないというイラストレーターこそコワーキングスペース来いよマジで。

 

仕事いっぱいあるぞ。

もしその場に無かったとしても、

「そういえばあっちの会社の人がそういう仕事出来る人求めてたな」と、目の前で”繋ぎ”が発生する現場は良く見るし、メンバーになって損ないと思うな。

 

◆で「漫画空間」行ってみて思った事

上記の女性イラストレーターの話から考えて、確かにマンガ家は自分の道具、自分の机、自分の書棚、自分の部屋、自分の家でないと仕事が出来ない。そんな事情は当たり前だった。

そりゃ俺の通うコワーキングスペースがマンガ家達の”Atelier”化するというのはムリかもしれない。

 

そういう役目はもしかして、コワーキングスペースじゃなくって、マンガ製作に特化した、マンガの道具が揃っている「漫画空間」かもしれない。

 

マンガを描くほうの漫画喫茶・高円寺「漫画空間」行って来た - 賽の目記ポータルマンガを描くほうの漫画喫茶・高円寺「漫画空間」行って来た

現役マンガ家・深谷陽先生が店長の漫画喫茶「漫画空間」に行って来ました...

 

「漫画空間」がコワーキングスペース化する事が、私の考えるマンガ家”Atelier”ワーキングスタイルの着地点かもしれない。

……なんて思うんですよね。

 

「漫画空間」は、プロ・アマ限らず、家にこもりきりの作業スタイルである「マンガ製作」を、共有スペースに持ち出すことが出来ると証明した素晴らしいお店であり、スペースです。

ジャンプ作家である樹崎聖先生を始め、マンガというものを盛り上げようとする作家さん達が、「漫画空間」という場所から動画配信をする。そんな時代が来るとは思わなかった。

(→漫画元気発動計画

 

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MANGA TV|ニコニコチャンネル

(最近では『ホイッスル!』の樋口大輔先生がゲストでした。)

 

ここで広がる、まずはマンガ家同士、ファン、そしてマンガ家の玉子達の「マンガの輪」。

それが「コワーキングスペース」という異業種フリーランスが集まる場所へと着地すれば、さらに「マンガ」というものの可能性やさらなる飛躍が期待されると思ったのです。

 

もちろんそれは「漫画空間」や樹崎聖先生始め「漫画元気発動計画」の理想や思惑、そして実績あること。一度利用したくらいの私が口を出すことではないんですが……

 

◆しかし夢想するわけですよ

上に書いたとおり、コワーキングスペースはフリーランスが仕事を得るための、縁にあふれた仕事場。

異業種だからこそ相談し、相談される事の多いコミュニケーションスペース。

そこに集まるメンバーに、1本「マンガ」というコンテンツがあれば。

WEBサイトを、

アプリを、

音楽を、動画を、アニメを、ゲームを……どんどん同じ空間を共有する仲間のそれぞれの個性を活かした形でひとつのプロジェクトとして盛り上げられるんじゃないかなー。

雑誌に掲載連載するだけじゃない、

「マンガ」の未来や可能性があるんじゃないかなーなんて思ったわけです。

 

は? お前のマンガでやってろ?

すいません、俺は今までカネになるマンガ書いて来れなかったんでw

率先して皆を食いつかせる魅力あるコンテンツを私はまだ持っていない。ハハハ。

 

私の実績はともかく、これだけは言いたい。

私の知っている「マンガ」という世界に限った話ではなく、

フリーランスの人間こそこういったシェア・スペースで仕事をすると、他の仕事に繋がる縁が広がる可能性が高い。

そういった意味でマンガ家やイラストレーターには外に出て、どんどん人脈を作る機会を得て欲しいし、その為に、

「漫画空間」やコワーキングスペースの利用をオススメします。


 

漫画空間:http://www.mangakukan.com/

漫元Domix(漫画元気発動計画):http://www.dreamtribe.jp/mangen-domix/

CASE Shinjuku:http://case-shinjuku.com/

 

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漫画のシナリオを書く為の作法、

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