漫画原作者 猪原賽BLOG

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今週は映画「ありふれた事件」と「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」を観た

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「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」はTwitter等でも発言しましたが、べっそぐそに泣きました。最高でした。

感動大作という意味ではありません。

レビューをNewsACT(http://news-act.com)で書いてますんで、感想等についてはそっちを見てくださいな。

 

ヒーロー映画文句なしの5つ星!前作以上に燃えた!萌えた!泣いた!「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」レビュー

 

もうひとつのほう、「ありふれた事件」に関してはこちらで書こうかと思います。

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友人に誘われて行ったこの映画。

20年前に単館上映されていたものが、HDリマスター、リバイバル上映。

そしてまた単館上映。

渋谷のシアター・イメージフォーラムにて上映中です。

これ、前もって情報入れないで観に行ったんですけど、昨今流行りの「POV形式」かつ「モキュメンタリー」。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト デラックス版 [DVD]

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 POV形式(主観カメラ)のはしりは「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」かと思っていましたが、それより早かったこの「ありふれた事件」。

全然ありふれた話じゃなかった。

 

POV映画は主人公がデジタル・ビデオカメラを買った、旅行先でそのカメラを撮影していたら……なんてタイプになりがちですが、この映画はお金のない若者がフィルムカメラを回して、これまでかつてないリアルで衝撃的なドキュメンタリー映画を撮る!という体になっています。

カメラ係、マイク係等の撮影チームが追うのは、

強盗殺人鬼

ナチュラルボーン・キラーとも思えるほどに、人を殺し、カネを奪い、また人を殺すベンという青年のその犯罪の一部始終や、彼の思考、思い、考えを述べる姿を撮る同行取材をしている、という映画。

ビデオカメラではないフィルムカメラ(しかも白黒)を使って淡々と、時折激しく撮られる殺人の現場、被害者、そして主人公である加害者。

ドキュメンタリー取材者である撮影スタッフも、そんな現場に居合わせ、主人公の殺人鬼・ベンに少しずつ感化されていく、静かな狂気。

不鮮明な白黒の映像がそのテーマにバッチリ合っていて、ある意味予想通りのオチに向かって転げ落ちて行く彼らの姿は、フィクションと分かっていても迫るものがありました。

 

これまでDVD化されていなかった、VHSビデオでしか観られなかった貴重なカルト映画。

単館上映ですが、HDリマスター化した上でのリバイバルには、当然DVD化が待ってます。

ありふれた事件 [DVD]

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ごらんのように5月にDVDが発売されます。

 

それにしても不鮮明な白黒映像がその効果を絶大に発揮しているこの映画が「HDリマスター化」というのは、デジタルビデオ撮影映画全盛のこの時代にちょっとした矛盾を感じますねw

 

ありふれた事件 公式サイト

http://www.albatros-film.com/movie/arifureta-jiken/