都内各地にあるつけ麺チェーン「三田製麺所」。
どの店舗もそうかわからないんですが、中野店では午後14時以降という時間限定(?)で「中華そば」を食べることが出来ます。
三田製麺所の「中華そば」。
なんか、すごく、画期的というか、メビウスの輪的なラーメンでした。びっくりした。
■三田製麺所、この夏限定の「激辛つけ麺”灼熱”」食べてみたが、ホントに辛い
NewsACTでは以前、三田製麺所夏の限定メニュー「激辛つけ麺 灼熱」を紹介しましたが、つけ麺という意味ではハズレがなく、また深夜まで営業していますので、ちょいちょいお世話になっている店のひとつ。
実際、つけ麺が食べたくて足を運んでいるので、なかなか「中華そば」をオーダーする機会が無かったのですよね。
しかし昨夜突如思い立って完全に「三田製麺所の中華そば」気分になって、食べてみたら驚いた。
麺こそつけ麺と違う細麺(それでもつけ麺と比べたら、なので、普通に言ったら中太麺くらいかな)なんですが、驚くべきはそのトッピングや、コンセプト。
これが加工していない元の写真。
わかるでしょうか。
これ、ラーメンだけど、まるでつけ麺じゃん。
つけ麺とは、中野大勝軒で働いていた時の山岸氏が、賄いとして考案したもの。
ラーメンが元で、冷たく締めた麺を温かいスープにつけてズルズルすするなら……と、スープはラーメンに比べて濃く、酢や一味で味も刺激的になったもので、
またその後独自に進化したつけ麺は、もはやラーメンとは別のジャンルとなっていると言ってもいいでしょう。
その「つけ麺」というものの基本フォーマットのひとつが「濃厚ダブルスープ」。
三田製麺所に代表される、動物系のスープに節系スープ、そして魚粉を使ってさらに魚の香りを立てるもの。
その形状は太麺にもだっぷりと絡む、どろりとした粘度を持っています。
改めて三田製麺所の「中華そば」です。
どろりとしたスープに、かつお節やねぎ、そして魚粉。
この見た目、完全につけ麺のつけ汁じゃないですか?
冒頭に「メビウスの輪」的と書いたのは、これはつけ麺が生まれた経緯の逆を行っているのではないか、という考察からです。
つけ麺とは、麺が冷たく汁が熱い。(あつもり等を除く)
汁は食べ進めるとどんどん冷えていくもの。
それを食い止める為に、器を熱くしたり、焼け石を丼に入れたりのつけ麺店の創意工夫や、もはやそれを諦めて、客のほうが最後にスープ割りを頼んで温かさを復活させて楽しむもの。
三田製麺所の「中華そば」。
これは、もうそんなの面倒だからつけ麺みたいなラーメン作ればいいんじゃね? 的な発想で生まれたものじゃないかと。
×「つけ麺はぬるくなるからラーメンに戻ろう」
○「ぬるくならないようにどんぶりで一緒にすればいいんじゃね?」
つまりつけ麺がラーメンに回帰した姿ではなく、つけ麺の元になったベーシックを伝えるものでもなく、ごく単純に「つけ麺をそのままラーメンみたいにしてみた」という。
その味わいはまさに三田製麺所のつけ麺の味。スープはやや薄めとなっているが、粘度もあり、濃厚で、甘く、魚粉もかなり主張している。
麺こそ中太麺だが、つるりとしたのどごしは三田製麺所の自家製麺の特徴。
三田製麺所をはじめ、つけ麺を売りにする店は、並盛りと中盛り、場合によっては大盛りさえ同一価格とする所が多いですが、三田製麺所の「中華そば」も、並盛りも大盛りも同一価格の700円。
(ちなみに昨日私が食べたのは並盛り。)
そんなシステムすらも「つけ麺」的であり、面白い。やっぱりこれ「つけ麺をラーメンにしてみた」だ。
入った事のないつけ麺店と同じ地域に「三田製麺所」があれば、ついつい失敗を怖れて三田製麺所に入りがちな皆さん。
私もそんな一人ですが、メニューに「中華そば」があったらちょっと試してみてください。
ラーメン・つけ麺史に逆行するわけではない、
メビウスの輪のように戻ったようで別次元へ向かっている、
「つけ麺をラーメンにしてみた」
――そんな新しいラーメンを体験出来ますよ。
うっひょう、こんな記事書いてたらもう三田製麺所の中華そば食いたくなってるぞ俺!
次は……