『漫画原作のゲンバ』Kindle専売とあってなかなか手に出してもらいづらい状況にあることがわかりました。
というかいきなり本を出しても存在を知ってもらえないんですよね。
ブログの告知記事もどんどん下に下がって行ってしまうし、ちょっとこれからしばらく販促フェアとして本の内容を無料サンプル代わりに、このブログで本文を紹介していくことに決めました。
とは言え既に買ってくださっているファンの方もいますし、Amazonで自動的に公開になっている無料サンプル分以上にここで公開しつつ、最初のシナリオ一本だけ、最初から最後まで読める形にしようと思っています。
とりあえず今回は挨拶代わりに「まえがき」のみになります。次回から正式に掲載していきます。
【注意】
- 以下の内容は猪原賽執筆のマンガ原作シナリオ集『漫画原作のゲンバ』1巻の冒頭部分から転載するものです。
- ブログの性質上、横書きになります。
- 同様にルビや傍点などは省きます。
- イラストカットはマンガ家・横島一さんが実際にこのシナリオに即して作成したネームです。
以上の注意点を踏まえた上、本文・内容共に一部・全文に関わらず転載を禁じます。
******(以下本文)******
まえがき
漫画というものは、作家一人によって創作されるものと、原作付きというものがあります。
漫画家になるには? という問いに答えるものは、新書を始め、ムックなど多くのフォーマットで多くの方が書いてますし、「同人誌」というジャンルがあるためか、多くの方の〝想像のつく〟範囲にあるとも言えます。
ですが、「漫画原作者」になるには?
というかそもそも、「漫画原作」って何書いてるの?
そんな謎の職業が「漫画原作者」です。
実際、「漫画の原作書いてます」と自己紹介すると、原作ってどう書いてるの? と問われることが多いです。
実際、これが漫画原作! という正しい、確実な「ひとつの手法」はありません。
ネームで渡す人もいれば、シナリオで渡す人も、小説の形で渡す人もいますし、それこそ2、3行のあらすじしか書かない人もいると聞きます。
最近はかつて漫画家として活躍していた方が、原作に転向する例が多いですね。
そういう方はきちんと「漫画をわかっている」ので、ネームという形で渡しますが、例えば漫画を描いたことのない人が漫画の原作をする場合、実際漫画になった場合のページ数、ボリューム感をご存じない例が多いです。
映像関係のシナリオライターが〝時間〟を軸に書いたシナリオを、漫画の形に落とし込もうとした時、つまり〝ページ〟を軸にネームを描こうとすると、余裕でページオーバー、あるいはページ足らずになり、漫画家が作画に苦労する例を実際私は見たことがあります。
私はもともとコンビ漫画家でした。プロットを書き、ネームを描き、そして原稿の仕上げを担当していました。
ですので、原作に転向してから、私はなんとか漫画家さんの苦労の少ないように、話は私に任せていただいて、絵を描くことに専念していただこうと、
・シナリオ(ストーリーのみ)
・シナリオ(ページ・コマ配分の目安入り)
・ネーム
という原作手法を、作画の方のリクエストを聞いてチョイスしています。
電子書籍という形で自費出版が容易になった今、
「漫画原作って何書いてるの?」
という問いに答えるコンテンツを作れるのでは?
そう考え、この『漫画原作のゲンバ』というシリーズを用意してみました。
これを読めば、私「漫画原作ライター・猪原賽」がやっている、その三つの「原作の書き方」がわかるというわけです。
そして今回はその第一弾。
私がここ数年書きためた漫画原作・未公開シナリオを蔵出しする『漫画原作のゲンバ』第一巻となります。
内容は、正直言うとボツ原稿です。
連載を勝ち取るに至らなかった、未完の第一話の寄せ集めです。
ボツではありますが、単に「誌面に合わない・求めているものではない」という理由でお蔵入りになってしまった原稿です。
なぜならここに集められたシナリオは、すべて担当編集者のゴーサインが出て、漫画執筆担当である横島一さんに渡され、すべて彼のネームが存在します。
今回実は、横島さんのご厚意で、シナリオ中に一部カットとして、ネームを使用させていただく許可をいただきました。
シナリオに対するネーム作例としては少ない分量ですが、作品イメージを伝えるには充分かと思います。
好評であれば二巻、三巻と、ネーム集や、既に発表済みのマンガの原作を公開するシリーズとしたいと考えてます。
既に私の原作のコミックスをお持ちなら、並べて読むとたぶん楽しいですよ。たぶん。
良かったら漫画家志望、漫画原作志望、その他漫画の現場を知りたい方々に、この『漫画原作のゲンバ』を紹介してもらえるとありがたいですね(笑)。
猪原賽
(続きはコチラで全文読めます。あるいは次回の更新をお待ちください)
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