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漫画原作者 猪原賽BLOG

「学園ノイズ」「悪徒」「放課後カタストロフィ」の原作者/ブロガーが告知したり漫画の作り方、関連ニュースをお伝えします

業界16年目を迎えた漫画原作者がこれまでのキャリアを振り返りスライドにしてみた

f:id:iharadaisuke:20160215105835j:plain漫画原作者の猪原賽(@iharadaisuke)です。私は漫画原作者として、コンビマンガ家時代も含めて今年16年目を迎えました。これまでの業界人としての歩みと電子書籍時代に何を考えて行動しているのか、仕事場にしているCASE Shinjukuのメンバーさん向けに、そんなトークセッションをさせていただきました。
その時のスライドを、せっかくなので普段の読者の皆さんにもざっくり公開しておこうと思います。

 TALK SESSION CASE

私が普段仕事場にしている場所は、コワーキングスペース「CASE Shinjuku」。プログラマーなどのITフリーランスから、私のような物書きやデザイナーまで、多種多様な人間が、その日その日のノマド*1ライフを送る場所。
そんなメンバー達が実際、どんな仕事をしているのか、どんな人生を送って来たのか。メンバー向けに自己紹介するトークイベントが定期的に開催されています。
それが「TALK SESSION CASE」。回数も第8回となり、とうとう私にお鉢が回ってきてしまいました。
そんなわけで、題して……

人前で話すのが苦手だから文章を書いているのに人前で話せと言われて…

そんなタイトルで50分ほど漫画原作者・猪原賽の半生と、最近の業界に対する雑感を述べさせていただきました。タイトルどおり、私は人前で話すことが苦手 なんですよ。一体何しゃべってるのか、緊張してわけわかんなくなる。なので、50分も何を話したのかよくわからんのですが、そのために使用したスライドを ここに貼っておきますので、だいたい私が何を言いたいのか、話したのか、ざっくりわかると思います。それではどうぞ。

人前で話すのが苦手だから文章を書いているのに人前で話せと言われて

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デビューまでの道のりとデビュー直後

f:id:iharadaisuke:20160215105830j:plain私は2000年にオオシマヒロユキとのコンビマンガ家としてデビューしました。
オオシマはもともと週刊少年ジャンプのホップ☆ステップ賞や手塚賞を獲ったことのある、前途あるジャンプ作家の卵のひとりだったんですが、途中にイラストレーターという仕事を得、少しマンガと離れていた時期があったのです。
そんな時、私はオオシマと出会い、「一緒にマンガでも描くか」という軽いノリでコンビ作家は誕生。ジャンプ作家の卵という経歴を隠したまま、何件か編集部へ持ち込みに行きました。

Revolver-リボルバー-

Revolver-リボルバー-

 

Revolver-リボルバー-』これが私とオオシマの初合作マンガ。その後、少年画報社に拾われ、「アワーズライト」誌に、連作読切を定期的に掲載。

f:id:iharadaisuke:20160215105831j:plainその読切連作は『下町狂い咲きキネマ』として発売、現在はKindle版で買うことが出来ます。

下町狂い咲きキネマ

下町狂い咲きキネマ

 

 その後アワーズライト誌は休刊。一賽舎(現・一迅社)の「ゼロサム」誌に拾われ、初の本格連載『学園ノイズ』が始まります。こちらもKindle版を買うことが出来ます。(全4巻)

学園ノイズ 1

学園ノイズ 1

 

転機1・コンビ解消

しかしこの後、コミックス化に至らぬ連載『21世紀番長』(講談社・少年シリウス)を経て、オオシマはバンドデシネの道に乗り出すことを決意。

f:id:iharadaisuke:20160215105832j:plain私、猪原賽の転機の一つは、コンビマンガ家としての相方だったオオシマヒロユキの渡仏・バンドデシネ作家転向。日本に残った私は、漫画原作者に転向。現在もお付き合いのある編集者に拾われ、『悪徒-ACT-』『伴天連XX』『くまがヤン』『ものミコ』『B.Y.C.裏庭街』などを発表。しかし……

伴天連XX(1)<伴天連XX> (ファミ通クリアコミックス)

伴天連XX(1)<伴天連XX> (ファミ通クリアコミックス)

 
ものミコ

ものミコ

 
悪徒-ACT- 天上編<悪徒-ACT-> (ファミ通クリアコミックス)

悪徒-ACT- 天上編<悪徒-ACT-> (ファミ通クリアコミックス)

 
くまがヤン (ヤングキングコミックス)

くまがヤン (ヤングキングコミックス)

 
BYC~裏庭街 (YAコミックススペシャル)

BYC~裏庭街 (YAコミックススペシャル)

 

転機2・開店休業とブログスタート

f:id:iharadaisuke:20160215105833j:plainしかし『B.Y.C.裏庭街』の発売後、連載がぷっつりと途絶える2011年。そこから約2年、漫画原作者としては開店休業状態となってしまう。

が、とある人の紹介で、ねたたま。のksnさんと出会うことが私の人生を大きく変えます。
具体的には、2012年にksnさんの誘いでブログNewsACTを始めた――これが私の人生の一大転機です。というのは、出不精で家に引きこもりがちだった私が、ブログのネタ探しに外に出るようになった。これがものすごくその後の人生を変えました。

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放課後カタストロフィ1(ヒーローズコミックス)

放課後カタストロフィ1(ヒーローズコミックス)

 
ガンロック 1 (少年チャンピオン・コミックス)

ガンロック 1 (少年チャンピオン・コミックス)

 
ドロボウナイトトリック 1<ドロボウナイトトリック> (コミックジーン)

ドロボウナイトトリック 1<ドロボウナイトトリック> (コミックジーン)

 

2012年9月にNewsACTは始まりましたが、ブログを書いているだけでなく、マンガ連載に向けた営業は続けていました。種まきにも近い開店休業の冬の2年間が過ぎると、2013年より『ドロボウナイトトリック』のストーリー協力、のちに連載となる『ガンロック』読切版、そして『放課後カタストロフィ』の企画立てなどが一挙に立ち上がり、2013年末に原作者復帰。
複数の仕事を抱えることになったあまりの忙しさに「仕事場」を検討していた時、初期経費がほとんどかからず、またファミレスやカフェに近い使い心地である「コワーキングスペース」なるものを知りました。

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f:id:iharadaisuke:20160215105836j:plainブログNewsACTを始めたおかげで出不精が治り、ネタを求めて外に出た結果、コワーキングスペースを知る。コワーキングスペースで働くことにより仕事やその他の様々な人脈が広がり、マンガにもブログにもネタに事欠くことなくなった2015年は、非常に充実した年でした。

久しぶりのコミックス『ガンロック』を2015年2月に発売しましたが、久々のコミックスを出すことにより、たった数年の間にマンガの出版事情が変わっていたことを体感しました。
特に、「電子書籍」の事情です……

電子書籍をセルフパブリッシングしてみた

f:id:iharadaisuke:20160215105837j:plainなんでもネタになるだろう、中に入ってみなくてはわからないだろう。そんなテーマで、私は2015年、電子書籍の発売(セルフパブリッシング)に挑戦してみました。厳密に言えば数年前から取り組んでいますが、結局面倒になり投げていたもの。それを本格的にやってみようと思ったのが、2015年の年末です。

私は、一部を除いでAmazonのKDP限定ですが、私は今年2016年の1月までに電子書籍を4種5冊出しています。

漫画原作者は一体「何」を書いているのか

漫画原作者は一体「何」を書いているのか

 
オーバーペイントRe:PAINT

オーバーペイントRe:PAINT

 
漫画原作のゲンバ (上)

漫画原作のゲンバ (上)

 
Revolver-リボルバー-

Revolver-リボルバー-

 

 特に『オーバーペイントRe:PAINT』は、Kindle紹介メディアである「きんどるどうでしょう」きんどうzonさんの誘いで「電書で印税100万稼ぐ!」という目標で、描き下ろしマンガを電書(KDP)で作りKindle限定で販売、長年多くの作品でタッグを組む横島一さんにマンガの作画をお願いしたもの。それが……

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なんと、4日間で311部販売、Kindle限定にも関わらず、Amazonコミック部門総合(紙版の本を含むランキング)で瞬間風速で83位を獲得。
まだまだ印税100万円には程遠いですが、『オーバーペイントRe:PAINT』は今でも毎日少しずつ売れています。

電子書籍は売れてきている、認知度が高まっていく。マンガとして商売になる。そんな「電子書籍元年」、果たして2016年は――

私の体感では、まだまだ過渡期、これからのメディア。でもセルフパブリッシングも続け、そこに夢を見ることだけにせず、商業紙出版でもヒットを狙う。そんな2016年にしたいなと。私はそんな仕事を日々CASE Shinjukuから発信しているのです。

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ざっくり書くなら、こういったことをCASEのメンバーの皆さんの前で発表させていただきました。最近このブログを読者登録なさったり、何かバズったエントリーをきっかっけにブックマークしていただけている方にも、私・猪原賽がこういったキャリアを重ねた人間であるとお見知り置き願うために、今回ここにしたためてみたもの。少しでも「へー」と思っていただければ幸いです。

というわけで電書の宣伝!

漫画原作者は一体「何」を書いているのか

漫画原作者は一体「何」を書いているのか

 

 『学園ノイズ』『悪徒-ACT-』『放課後カタストロフィ』などを手がけマンガの原作だけで15年間以上生き抜いている著者が、マンガ業界で学んだノウハウを伝授。「マンガの原作」とは何か、どんな「原作」を書けばよいのか。なかなか表に出て来ない「マンガの原作」の実作例や心構え、初心者がおちいりやすい間違いなど、業界体験談をまじえつつ、わかりやすく解説。【99円

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オーバーペイントRe:PAINT

オーバーペイントRe:PAINT

 

 餅をテーマにプロのマンガ家・原作者のコンビが描きおろす新作コミック!
上層部の分裂騒ぎに揺れる「邪馬淵組」。その屋敷では近隣住人のための正月恒例「餅つき大会」を自粛し、たったひとり残った組員・ケイイチと親分で、2人寂しく餅つきをしていた。暴力団を排斥する世間の流れに、屋敷の壁は悪意の落書きだらけ……。そんな時、壁の落書きアート「グラフィティ」を描くストリート・アーティスト「ヌリコ」が現れ、屋敷の門に「龍」のグラフィティを“上描き”してしまい――【250円

>>Kindleストアで『オーバーペイントRe:PAINT』をチェック!

Revolver-リボルバー-

Revolver-リボルバー-

 

 オオシマヒロユキ+猪原大介(現・猪原賽)の最初の合作マンガ。 2002年に発行された同人誌から初の電子化。 出版社の持ち込みのために描いた読み切りマンガ「Revolver」を収録。(コミックス未収録作品)
ヤクザ! 殺し屋! 仇討ち! 赤い血の記憶が交錯する青春フィルム・ノワール、読み切り48ページ! 【250円

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漫画原作のゲンバ (上)

漫画原作のゲンバ (上)

 

 マンガ家志望者、漫画原作志望者必見の「漫画の原作の書き方」、それに対する「ネームの描き方」の例を提示する、漫画原作に特化したシナリオ集【107円

※猪原がKDPでセルフパブリッシングしたものを大幅改訂し、マイナビ出版さんから発行し直したものです。

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*1:そういえば最近「ノマド」って言葉聞きませんねw