「ダサい絵は、塗りつぶす!」――来年お正月に発売予定のKindle限定コミックス『オーバーペイント Re:PAINT』に収録される、今までコミックス未収録だった過去の読切作品『オーバーペイント(2011年版)』を、今回ダイジェストでWEB公開いたしますよ!
『オーバーペイント(2011年版)』ダイジェスト
最初に
『オーバーペイント(2011年版)』は、2011年7月、少年画報社刊「ヤングキング」15号と16号に連続掲載された、前後編読切60ページ作品です。
今回のダイジェストでは、まるっと全部……とはいきませんが、Kindle版・完全リイマジネーションされた『オーバーペイント Re:PAINT』の予習のために、
また当時の読切をお読みいただけてない皆さんには、Kindle版に収録される『オーバーペイント(2011年版)』のネタバレにならない程度に、
お楽しみいただけたらと思います。
ダイジェスト<前編>
水上恵一は、美術学校に通う中学生。しかし、美大入試試験に向けた練習でしかない教室に違和感を持っていた。
そんな彼がふと気づいた、壁のラクガキ。“ある一定のルール”にのっとり、街の壁やシャッターに描かれているそれは「グラフィティ」と呼ばれるもの。
グラフィティを知らない恵一は、ふと「こういうものは誰が描いているのか」と疑問を持つ。そんな彼の背後に立つ、女性。
「だっさい絵だよな!」
その女性は恵一に、こうした壁のラクガキが「グラフィティ」と呼ばれる“アート”だと伝えると共に、
「所詮落描き」「描いてるとこ見つかりゃあ、お巡りに『コラッ!』ってされる」
……“犯罪”でもあることを教えた。
そして、「グラフィティ」には暗黙の了解があることも。
低レベルな絵は、また別の誰かが、ハイレベルな絵で「上描き(オーバーペイント)」出来るのだ。そうして壁というキャンバスに描かれるグラフィティは、アートとして高まるのだと。*1
彼女の名は、龍鯉子(ルリコ)。さすらいのグラフィティ・アーティスト。
日本中の壁に誰も「上描き」できない最高の絵を描いて、グラフィティを最高のアートだと世間に認めさせたいと彼女は言う。そんな思いに、恵一は何かを感じた……!
「物足りなかったのは」「欲しかったのは……」「この感じ……!」
ルリコと共に、グラフィティをコラボする恵一。
自分が描きたいものを見つけた恵一は、ルリコに弟子入り志願をするが、ルリコは、
「あかん」
にべもなくそれを断る。なぜならば……
ルリコと恵一の前に現れる、この街の壁を支配するグラフィティ・アーティスト「グラス・ジョー」。
彼は自分の“作品”が、ルリコと恵一に塗り潰された事に激怒。グラフィティは、警察や住人達に目を付けられるだけでなく、こうした不良達との抗争に発展しかねない危険を伴うのだ。
この場はルリコの機転でピンチを脱したが、ルリコは恵一に「グラフィティ」ではなく、真っ当な絵の道を進めと助言し、次の街へと去るのだった――
ダイジェスト<後編>
ルリコと恵一が描いた絵は、グラス・ジョーによって既に塗り潰されてしまった。
ルリコには拒否され、止められたグラフィティの道。しかし恵一は、自分の絵で、再び「上描き(オーバーペイント)」してしまう。
しかし、当然それはすぐグラス・ジョーに知られてしまう。
「あのガキを探せ……!」
あっさり捕まってしまった恵一は、
「二度と絵を描けなくしてやる!」
大事な右手を、グラス・ジョーによって潰されてしまった……
一方、隣街でグラフィティを描こうとしていたルリコは、警察の取り締まりに遭っていた。
「芸術だとかなんだとか、そんなキレイ事言いながら、お前らはギャングと何も違わない」
「昨日も隣の所轄で、中学生がおまえらに暴行された」
もちろんそれは、恵一が、グラス・ジョーに報復されたということに違いないのだ。
それを確かめるべく、元の街に戻り、グラス・ジョーと対峙するルリコ。
そしてまさに「(恵一の)手を折った」と笑うグラス・ジョーに、ルリコは……!
<ダイジェストここまで>
未単行本化の読切版収録!新作『オーバーペイント Re:PAINT』は1月発売!
上に掲載したダイジェスト版『オーバーペイント(2011年版)』から大幅に設定を見直し、リ・イマジネーションした読切マンガ『オーバーペイント Re:PAINT』を、2016年1月に発売します!「2011年版」もきっちり収録させていただきますよ!
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その新作が『オーバーペイントRe:PAINT』。
今回ダイジェストでお送りした『オーバーペイント(2011年版)』を大幅に設定を見直し、リ・イマジネーションした、完全描き下ろしの新作マンガです。
2011年版では女性ながら侠気(おとこぎ)と迫力に溢れるヒロインだったルリコ。
「Re:PAINT版」では見てのとおり、かわいらしい女の子にリ・イマジネーション!
犯罪と切っては切れないアート「グラフィティ」も、新たに胸を張ってペイントできる、正当で真っ当な“理由”を設定しました。
もちろん【餅】もストーリーに関わってきます。さて、一体どんな話になるのか――続報、お楽しみに!
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*1:だとしても公共物や他人の財産である建物に実際やると犯罪です。念のため。