■30、31
服の下の有馬。
有 馬「(こいつは……やべェ……!)」
「(やるしか ねぇか……!?)」
小 下「僕は地球人だ!!」
大声で叫ぶ。
メンバーは一瞬ひるむ。
メンバー「!」
地面に倒れて、メソグソに泣きながら、
小 下「宇宙人同士のケンカなんて……」
「勝手にやってくれよ…… 地球の外でさぁ……」
「何で……何で日本……この街で戦ってんだよ……」
「しかもヤンキーなんかに化けてさ……」
「カッコイイ? 干渉されない?」
小 下「よってたかって 人を ボロ雑巾みたいに扱うような奴が……」
「カッコいいわけないだろ……!?」
「干渉しないのも 周囲が呆れて 相手にしてないだけじゃないか……!」
メンバーがボスの顔色を伺う。
メンバー「まさか……コイツ本当に ただの地球人(にんげん)……」
「そういえば 見た目も一般人(パンピー)……」
えぐえぐ泣く小下を見下ろしているボス。
ボ ス「そうだな 人間であれば」
アップ。
ボ ス「――事情を知り過ぎている」
「消すほか無い」
その顔は、もぐもぐと変化し始めている。
――のん のん のん!
と宇宙人としての正体を表すボス以下、プレアデスのメンバー。
ボ ス「人間だろうと アンドロメダ人だろうと な」
※この正体は、名前も似てるし、プレデターオマージュの姿がいいと思うのですが、ビジュアルはお任せします。
※しかし、手から伸びる生々しい生体武器は、自転車チェーンや釘バットなど、ヤンキーが持っていそうな武器。
■32、33
絶望の小下。
モノローグ「終わった……」
「二度目の人生が 終わった……」
――フゥッ
と気絶してしまう小下。
胸の中から声をかける有馬。
有 馬「お おい! 小下!」
「バカ! 起きろ!」
「俺は おめおめとこんなところで 殺されるわけには……!」
ボ ス「死ね」
と武器を振り下ろす。
――ギィン!
と火花。
ボ ス「!?」
小下の胸がはだけ、有馬の顔が露出している。
そして彼の歯が、その武器を受け止めている。
ボ ス「(オフ)き 貴様……!」
――ベッ
と吐き出し、
有 馬「地球人相手に試した事はねぇが……」
「ここはするっきゃないだろう!?」
■34、35
大の字の小下。
胸の有馬が叫ぶ。
有 馬「(フキダシ無し)宇宙的奪取(スターダッシュ)」
有馬の顔から星型に照射される、星型のオーラ。
見開き。
有馬を中心に小下の身体を伸びる、トライバル模様。
ビキビキと膨らむ手・首の血管。
小下の白目や口から照射される光。
ひるむボス。
ボ ス「あ……」
■36、37
有馬化した小下が見得を切る。
身体は小下のままだが、トライバルタトゥー、金髪、メガネ無し。
もちろん意識のコントロールは有馬。
ボ ス「(オフ)――有馬九郎!?」
――グッ
と拳を握って何かを確かめる有馬。
有 馬「これは……」
――ビキビキ
と異常なほどに血管と筋肉が張っている。
しかし、体格は小下のままだ。
モノローグ「地球人型義体(いままで)より」
「断然 チカラが 漲っている……!!」
ボ ス「正体を現したな! 〝暗怒牢滅堕(アンドロメダ)〟の最後の生き残り(チンピラ)め!」
有馬の不敵な笑みを、まっすぐな視線で。
ボ ス「一気にかかれ!」
メンバー「押忍!!」
■38、39
右寄せ縦ゴマ。
敵の攻撃を迎え撃つ有馬。
中国拳法のような構え。掌をこちらに見せた状態。
若干フカンで全身を。手や足が左右前後するポーズで奥行きを。
ポーズ次第では、コマ枠を正しく内枠に収めつつ、
パース強めで完全にはみ出た有馬の手足を。
見開き大ゴマ。
構図は前のコマの前後逆。コマ手前に構える有馬。
奥からは、巨大な掌が有馬に掴みかからんばかりにも見える、
その指(6本だが)がそれぞれメンバー6人に相当し、
それぞれがトルネード状に錐揉みし、
カーブを描いて、有馬に向かって来る。
ボ ス「(フキダシ無し)六連星衝撃(ロケット・カウル)」
※スバルの6連星マークか、実際の配置の昴6連星の光を更に効果として足しても。
※ロケットカウルというのは、暴走族のバイクの先に付いてる突起状風防です。プレアデスの面々はバイカーですが。
※名前はもうちょっと考えたいです。
左寄せ縦ゴマ。
六方向からの攻撃の衝撃波、あるいは影が目の前まで迫っている有馬の顔アップ。
余裕の笑み。しかし、凶悪な白目。
完全に強大な悪役。
――フ
■40、41
見開き大ゴマ。さらに見開きを90度傾ける必要のある、縦長の構図。
有馬は引きで、強大な竜巻の中心にいる。
それは彼のぶん回した腕が発生させた竜巻。
(縦見開きで引き、というのはその派手な竜巻を大きく見せる為)
一回転どころではない大回転掌底で、プレアデスのメンバーは竜巻に弾かれ、
四方八方に。
既に倒れているもの、異常な角度に曲がった首をしている者、飛んでいる者。
そして彼らの頬には、掌の痣。
有 馬「(フキダシ無し)渦巻銀河掌(トルネード・ギャラクシー)!!!!」
■42、43
倒れているボス。
――しゅうう
と煙を吐き、人間の姿に戻っている。
ボ ス「な なんだ…… この 有馬九郎の変貌は……」
ボスに近づく有馬。
ボ ス「逃げるしか能のないチンピラが……」
「この パワー……!」
ボスの懐から、星図を取り出す有馬。
有 馬「貰うぜ 〝振亜死神(プレアデス)〟の星図
フラッグ
!」
星図を高く掲げ、
有 馬「これで プレアデス星団は アンドロメダ銀河連合が殺(と)った!!」
――フッ
とそのポーズのまま、変身が解ける。
トライバルが消え、金髪が黒髪に。
小下が目を覚まし、身体の主導権が戻った。
星図を持って、
小 下「あれ? え?」
胸の有馬が舌打ちをする。
有 馬「チッ 目が覚めたか」
小下は星図を手にして、周囲を見る。
小下の目の前には、倒れたプレアデスの面々が。
小 下「これは……」
有 馬「お前のおかげで 〝振亜死神〟をぶっ潰せたぜ」
「まさか 人間との融合で 地球人型義体(テラ・スーツ)より 身体能力がアップするとはな!」
「禁忌(タブー)なわけだ!」
星図から照射される、プレアデス星団の立体映像。
有 馬「というわけで プレアデス星団 獲った」
小 下「!」
■44、45
慌てる。
小 下「じゃあ 消えるじゃん!」
「アンドロメダは守ったけど 逆にプレアデス星団が 宇宙から消滅するじゃん!!」
るー、と泣く小下の背景に、熱唱する谷村新司。
谷村新司「さらば~ 昴よ~」
有 馬「消えるわけねーべ」
小 下「うぇ?」
有 馬「何の為の代理戦争だよ」
「星々を破壊することなく 安全に 敵の宙域を奪う――星図戦争(フラッグ・ウォー)!」
「ベガやアルタイルの同時消滅に反省した 宇宙人の知恵だぜ これは」
小 下「だって キミが死んだら……星図を奪われたらアンドロメダが消滅(き)えるって……」
有 馬「負けたら大変なことになる くらいしか言ってねーべ?」
「ま 国家元首くらいの首は飛ぶけどな」
「一族郎党 まとめて全員」
小 下「え? え?」
有 馬「あと……」
やられたプレアデスのメンバーは、次々息を吹き返す。
ボ ス「クッソ 獲られたかー」
メンバー「負けちゃったスね」
小 下「軽ッ」
「軽ッる!!」
小下に向かって一列に並ぶプレアデスの面々。
――ザッ
小 下「え 何? 何?」
■46
ボス以下全員「〝振亜死神〟特派兵一同!」
「本日より〝暗怒牢滅堕〟傘下・下部組織として 活動させて頂きます!」
「押忍!」
――ザッ
軽く腰を曲げ、一礼。
有馬「――兵隊は吸収して 戦争続行!」
小下「え」
星が瞬き始めた、夕闇の河川敷の空。
有 馬「(オフ)天川の宇宙人(ヤンキー)全員ぶっ倒して」
「(オフ)天下(うちゅう)獲ったる!!」
小 下「えーーーーーーーーッ!?」
――終
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